近況にも書いたように、この夏はいわゆる”シリコン・バレーのVC”でインターンをしています。一流どころといわれるVCでインターンとして雇ってもらうのはアメリカ人でもそれなりに大変なことらしく、オファーをもらったことを伝えるとこっちの友人達からも、「Congratulations!」という反応が返ってきて、ちょっぴり「えへ」という感じでした。
でも、大変だったんですよ、インターン先を見つけるの。。。元はといえば、出遅れたこともあるのですが。研究プロジェクトの経済状況を助けるために、5月頭に「今年も夏はインターン先を探します!」と言い切ったのですが、まあすぐに仕事はみつかって、6月の頭ぐらいからスタートできるだろう、ぐらいに考えていたのですよ。ところが、結局仕事が始められたのは7月中旬。。。とある所からインターン用の予算を集めるから待っていろと言われて、もう一方のオファーを待たせていたら、結局両方ダメになったり。第一希望のVCは、やたらと採用プロセスに時間がかかったり。(有名VCのパートナーという人たちはとっても忙しいので、面接の時間がとれるのが2週間先、とかいうことが起こるのですよ。)その間、スタートアップの会社のマーケティング、某研究所の研究費集めの手伝い、某コーポレートVC(大手企業が自社の戦略の一環としてやっているベンチャー投資機関)の手伝い、などなど色々なインターン先候補と面接をしたりしていたのでした。
昨年はバークレーのメイフィールド・フェローズというものに選ばれて、メイフィールドというVCの投資先の会社でインターンをできるよう紹介してもらえ、今振返ればとてもラッキーな境遇だったんだなあ、とつくづく思いました。ほとんど自助努力なしで結構なお給料のインターンがすぐ見つかったもん。おかげで、ちょっとなめてかかってた所もあるのよね、正直言って。
ということで、せっかくのシリコンバレーでのインターン探し経験ですから、ティップスを書いてみようかと思います。理系の学生さんだけでなく、MBAの学生さんにもお役に立つのではないかと。。いわゆる「夏の間学生を安く使うかわりに仕事を経験させてあげる」というほぼ無給のインターンもいろいろありますが、そこそこのお給料を貰える(月給2000ドル〜7000ドルぐらい)という条件で探すのであれば、それなりの心構えが必要です。
1、そもそもインターンとして雇ってもらうとは
夏休みのインターン(大体6月の頭から始まるぐらい)は、早くて1月、遅くとも3〜4月には募集がかかります。これらはほぼエスタブリッシュ(ハイテクで言えばインテル、IBM的大企業、投資銀行、コンサルティング会社、有名研究所、などなど)からの求人です。スタート・アップが人出が足りなくて夏の間特定のプロジェクトで働いてもらうために学生を探している、というものもありますが。こちらでは、インターン・シップが人材青田買い目的でとても一般的に行われているので、興味のある会社があれば、ウェブサイトをのぞいて見ることをお勧めします。あと、トップ・スクールには企業のほうから求人情報が集ります。ただこういった求人は、アメリカ人のトップクラスの学生との競争になる、というのは覚悟してください。(日本に進出している企業の日本人向け求人を除く。)だってそういう人たちが獲りたくてやっているのですから。日本からの留学生が、アメリカの就職市場でアメリカ人のトップ・クラスの学生と張り合う、というのは当たり前ですが大変です。Good luck.
そこで、他にオプションはないのかというと、あります。上記に挙げたケースは、組織的にインターンを毎年行っている、つまり学生を一定期間雇うコストが予算として既に確保されている、というインターンです。でもそれ以外でも、「こんな学生がいるけど雇ってみようか?」とオポチュニスティックに発生するインターンも実はけっこうあるのですよ。例えば大企業の場合、一部門につき数年に一度インターンを採用できる、といったルールがあるのだけれど、今年は面倒くさいからとりたてて募集は出さなかった、なーんてことがあったりします。この場合、いい人がいたから改めて承認をとってみようか、となればラッキー。そんな機会をいかに作り出すかについては後述するとして、まず念頭に入れておかなければいけないのは、この場合、学生を雇うお金は予め承認されたものがあるわけではない、ということ。これをいかに相手の組織内でゲットして貰うか、がすなわちインターン・シップ探しになるのです。
タイミングについては、大企業・大研究所ほどこのバジェット承認プロセスに時間がかかる、ということが言えます。つまり、遅くとも4月末(ほんとうにぎりぎりで5月頭)ぐらいにはコンタクトしないと、夏には間に合わない=相手も採用を初めからあきらめる となります。
いっぽうスタート・アップの場合、良く言えばフレキシブル、悪く言えば行き当たりばったりです。そもそも全ての人事採用が「必要になったら取る」といった感じですし、意思決定に携わる人も少ないので(該当部門VPとCEOが基本)、「お、この学生さんは使えそうだ」と思ってもらえれば、採用決定は早かったりもします。実際、面接した翌日にオファーを貰った、なんてこともありました。
2、リファレンス、リファレンス、リファレンス
身も蓋もない言い方ですが、アメリカはコネ社会です。特にシリコンバレーは、「信頼している人、無視できない人からの紹介」が、あらゆるドアを開けるのに有効です。インターン探しもしかり。もともと求人をしていなかったところに仕事を作ってもらうのであれば、なおさらです。紹介がなければ考慮もしてもらえなくて当然、ぐらいの覚悟でよいでしょう。(まあ、例外がないとは言い切りませんが。)いいか悪いかは置いておいて、それが現実と割り切って良いリファレンスを探すことに注力しましょう。
一番の理想は、自分の指導教官、自分を良く知っている教授などから紹介してもらうこと。指導教官がけっこう有名人で、いろいろ知り合いがいる、というならなおグッド。企業もVCも、有名大学の教授陣とは色々もちつもたれつの関係があるので(特にエンジニアリング系は)、こういう紹介は先方もあまりないがしろにはしません。例えその夏に学生を雇うことが不可能でも、メールの返事ぐらいは返ってきます。(ちなみに私が今働いているVCでの面接をゲットしたのもこの手)
まあそこまでパワフルなつてが無くても、「紹介はないよりもあったほうがよい」といのが鉄則です。どこかにコンタクトしたかったら、知り合いを思い巡らせて、知り合いの知り合いとしてでも紹介してもらえないか記憶をさらってみましょう。(LinkedINはこれをツールとして助けよう、というソーシャルネットワーキングのサービスですよね。)その他、どこかパーティーにいったらインターン先を探していることを公言して、希望に会うような会社に紹介して貰えないかとりあえず聞いてみる、でもなんでも良いです。リードをさがしましょう。
もちろん、いざ紹介を受けてコンタクトする際には、「自分の何をどうアピールすれば相手の興味をひけるか」というのを冷静に考え、メールの一文一文に気合を込めましょう。私の場合、「マッキンゼーで5年ハイテク分野に携わり、今はなぜかPhDの学生」というかなり変な経歴が幸いして、会ってはみよう、と思っていただけたケースが結構ありました。ただの珍しいもの見たさかもしれませんが。ははは。
余談ですが、某コーポレートVCに面接してもらったのも、このケースでした。初めにその会社の求人用ウェブ・ページをチェックした時は、VC部門のインターンのポスティングは見あたらなかったのですが、研究室の先生に紹介してもらいレジメを送ったところ、「もうプロセス上は少し遅いのだけれど、とりあえず面接に来てみる?」と言われ、その翌日には求人用ウェブ・ページにポスティングを立ててくれました。(大企業の場合、すべての求人、面接は企業のウェブを通してしかしてはいけない、というルールがある場合が多い。)つまり、誰でも見られる・応募できる建前の募集が、実は私と面接するためだけに便宜的に存在していた、ということ。(結局お仕事はもらえませんでしたが。)大企業のウェブサイトに5月ごろになぜかインターンの募集が一つぽろっと出ている、という場合、こういう「誰かのために便宜的につくった」ケースである場合がけっこうあったりするのではないでしょうか。
3、面接は格闘技
さて、なんとか面接までこぎつけました。ここで、全神経を注いで相手を仕留めましょう。少なくとも忙しい中会ってくれたのですから脈ありということで、その先どちらに転ぶかは、次のことにかかってきます。
その一:どんな仕事をするのか、のイメージを相手と一緒に描く
繰り返しになりますが、べつに相手はインターンの求人をしていなかった場合、出発点としては仕事も予算もまだ無いわけです。そこで雇ってもらうには、「この子を雇えばあんなことやってもらえるなあ、それっていいかも」と思ってもらうことが第一歩。面接相手が、将来のボス、インターン・プロジェクトのスポンサーとして、予算をとってきてくれるのですから。
なーんて言われても、そんなに簡単なことではないですよね。これは、面接の課程で見つけだすしかないのですが、場数を踏むほど反射神経はよくなります。たいていの面接では自己紹介の後、相手の会社の説明をしてくれるので、その時に、「この人は、会社のために今後半年から1年の間に何をしなければいけないのか。そのためには、どんなことを夏の間にやってもらえると有難いのか」を探り出す質問を繰り出す、というのが基本でしょうか。それに自分が何をアピールできるかを照らしあわせて、「例えば私はこんなことしてみたいんだけど」と提案できればグッド。それが相手に刺されば心の中でガッツポーズでしょう。
まあそこまでできなくても、一生懸命いろいろ話して、面接相手に頭をめぐらせてもらいましょう。相手が勝手に何か思いついてくれればラッキーです。
その2:かわいげは大事
インターンシップは学生が夏の間の経験を求めてするものですから、自分が将来何をしたくて、それに照らしてこの経験がどんな風に活きるのか、というのは大事です。面接でも、かならずここの所を聞いてきます。インターンシップとは「将来のある学生さんに学ぶ機会をつくってあげよう」という慈善的要素が多かれ少なかれあることはいなめなく、この体験が本当にこの学生さんのためになるのか、というのをまじめに気にしてくれる人が普通なのです。有難いことですね。まあ、モチベーションが高いほうがまじめに働くだろう、という思惑もありますが。。。
ということで、えてして自己紹介をきっかけに振られるこの問いに、説得力ある答えをしましょう。逆に、説得力のある答えがみつからないならば、そのインターンシップはしないほうがお互いのために良いのです、多分。それから、当然ながら、欲しいのは経験、サラリーは2の次、という態度のほうが受けはよいです。
かわいげ=この子の成長を手伝ってあげたい、と思わせる何か。単に愛想がいいとかいうことではなく、まっすぐなココロザシが見えることが人の心を動かすのでは。
その3:手間がかからなそうな印象を与える
さて一方で、相手にとってのコストについて考えてみましょう。お給料は置いておいて、実はインターンの世話をする手間ヒマ、というのはばかにならない負担なのです。何かしてもらうのに手取り足取りいちいち教えてやらなければならないとしたら、いっそインターンなどいないほうが楽なのです。育てても数ヶ月で学校に戻ってしまうわけで、部下に対する投資としても割りに会わないですし。これは、インターンを雇う際にけっこう相手が気にするポイントです。
ドンぴしゃりの業務経験があるインターン、なんて人はまずいないので、まったく指導いらず、ということは誰も期待しませんが。少なくとも、「この人は、自発的にいろいろできそうだし、飲み込みもはやそうだ」という印象を与えるように努力しましょう。「何もわからないので教えてください」的へりくだりは、あんまりしないほうが良いです。
以上、私の経験に基づく、アメリカでのインターン・シップ探し入門でした。興味があったら、「求めよ、さらば与えられん」という神様の言葉を信じて、門をたたいてみるのもいいかもしれませんよ。
Recent Comments